北欧視察をきっかけに、自分軸を大切に暮らしを楽しむ北欧の人々に強く共感し、 北欧のライフスタイルと心地よい暮らしについて発信している片付け収納専門インテリアコーディネーター/北欧ライフスタイル研究家の新倉暁子さん。今回は、スウェーデンに深く根付く「LAGOM(ラーゴム)」という考え方をテーマに寄稿いただきました。
スウェーデンの田舎で出会った”LAGOM”(ラーゴム)な暮らし方
スウェーデンのストックホルム中心部から鉄道で1時間程の森に暮らすスサンさん。彼女はあえてこの土地を選んで都心から移り住んだとか。
1700年代に建てられた趣ある小さなお家はリノベーションを繰り返し今もなお現役です家の前には広々とした菜園と道具小屋、かつての納屋をフルリノベーションした大きな住宅も合わせて所有しています。
LAGOM(ラーゴム)とはどんな意味?
スウェーデン語のLAGOMは日本語に直訳すると「ちょうどよい・ほどよい頃合い・ほどほど」を意味します。
例えばコーヒー1つとっても、たっぷりミルクを入れて飲む人や、砂糖もミルクも入れる人、あるいは何も入れない…等と。
あなたとわたしのちょうどよい頃合いは人それぞれ違います。
それは暮らしにおいても一緒です。
自分の感覚を一番に考え、自分のちょうどよさを探ることが大切です。
スウェーデンの暮らし方は自分の感覚でちょうどよい頃合いを満たすLAGOM加減が絶妙です。
手が届く範囲でここちよく暮らす
スサンさんはフルリノベ―ションしたかつての納屋ではなく、1700年代に建てられた小さい家で暮らしています。
どうして小さい方に住んでいるのですか?と尋ねたら、
彼女は、「この広さがちょうどよいの」と。
なんでも手が届く範囲で暮らせることが気に入っているのだとか。
この暮らし方はLAGOMですね。と返したらスサンさんも笑顔でうなずいてくれました。
▲キッチンの窓から鳥が木々に遊びにくる様子が見えるとのこと
▲お気に入りのものに囲まれた暖炉があるリビング
1階はリビングとダイニングキッチン、2階の屋根裏部屋には寝室と続きに物置兼クローゼットの間取りです。思い入れがある小物でまとめられたインテリアはとても快適で気持ちの良い空間でした。
スサンさんの”自分のための時間”
しあわせを感じる時はどんな時ですか?との質問に彼女は少し考えて、乗馬をするので馬の世話をする時や、庭いじりをする時にしあわせを感じると答えました。
▲広々とした庭ではキノコも収穫できます。
この日も大きなポルチーニを見つけました。
鹿が育てている花を食べてしまうのには困っているが落ちたリンゴを食べてくれるので、サステイナブルなのよと。
ここちよい暮らしとLAGOM(ラーゴム)の関係
田舎暮らしを自ら望んで移住したスサンさんですが、滅入ったら気分転換に都会に行って気晴らしをすると教えてくれました。
LAGOMは”ちょうどよい”という意味でしたが、暮らしは完璧でなくてもよいのです。それよりどんな暮らしがしたいのか、どうなったら満足をするのか、自分の思いを尊重することが大切です。
スサンさんのライフスタイルにはLAGOMがたくさん詰まっていました。
自分にとってちょうどよい頃合いを見つけることが「ここちよい暮らし」への近道です。そしてそれこそ豊かな暮らしではないでしょうか。森の小さな家に移り住んだスサンさんの暮らしをヒントにあなたに合ったLAGOMスタイルを見つけられますように。