休店日のお知らせ

3月の休店日は毎週日曜日と20日(祝)です。

北欧コラム

#季節のメニュー

寒い北欧の心暖まるクリスマス

▲デンマークのクリスマス・ランチ(イラスト:織田博子)

 

北欧の季節のイベントとお料理について、マンガ家の織田博子さんにイラストと写真と文章で伝えていただく連載。今回のテーマは「クリスマス」です。

*織田さんは2017年に当時1歳の子どもと一緒にスウェーデンを訪問、その時の体験をもとにマンガ「北欧!自由気ままに子連れ旅」(イースト・プレス)を上梓。ダーラナのザリガニパーティー用ランチョンマットのイラストは織田さん作です。*

 

同僚や友達、恋人と楽しむデンマークの「クリスマス・ランチ」

 12月になり、街はすっかりクリスマスムードです。今年は、北欧風のクリスマスパーティを楽しんでみませんか?

日本のクリスマスは、恋人と過ごすイメージがあります。しかし、北欧のクリスマスは、家族と過ごすのが一般的です。
日本人が大晦日や正月に家族と過ごすように、北欧の人びとはクリスマスに家族と過ごします。

では、北欧の人たちは恋人や友達とクリスマスを楽しまないのでしょうか?いえいえ、もちろんそんなことはありません。

クリスマスシーズンに同僚や友達、恋人と楽しむクリスマス・ランチの習慣があります。

 

クリスマスの食文化について、デンマーク在住のさやかさんに聞いてみました。

 

「デンマークでは伝統的なクリスマス・ディナーのほかに、クリスマス・ランチ:ユーレフローガストJulefrokostと呼ばれる、友達や同僚と楽しむクリスマスパーティがあります。

ランチと名前にはついていますが、昼に食べるわけではありません。日本の忘年会のようなイメージです。

クリスマス・ランチでは、えび、たまご、レバーペースト、ハム、白身魚のフライを黒パンの上に乗せて食べながらビール、ワインを楽しみます。

特に欠かせないのはシナプスと呼ばれるじゃがいもの蒸留酒です。シナプスは歯磨き粉のような香りで、アルコール度数は40度です。これをニシンの酢漬けと合わせて楽しみます。

シナプスはみんな大好きです。看護師の友人に聞いたのは、胃ろう(おなかに開けた穴にチューブを通し、直接、胃に食べ物を流し込む方法)でもシナプスを楽しむおばあさん。

 

一方、家族や親せきと過ごす事が多いクリスマス・ディナーでは、歯が折れるほどカリッと焼いた豚肉のロースト:フレスケスタイ、りんごとプルーンを詰めた鴨の丸焼き、腸詰め:マデシタをメインとし、茹でたジャガイモ、キャラメライズされたジャガイモ(これを作っている時はクリスマスの香りがします)、セロリ、クルミ、りんご、サワークリーム、緑のぶどうが入ったワルドーフサラダ(Waldorfsalat:NYのWaldorf Hotelのレシピだそう)、赤キャベツの酢漬けなどを食べます。

 

伝統的なデザートは甘いライスプディング(リーセンラマン:Ris a la mand フランス語 お米とアーモンド)。生クリーム、さくらんぼのソースが添えてあります。

プディングの中には砕いたアーモンドが入っていますが、一つだけ丸のままのアーモンドが入っています。このアーモンドが自分のプディングに入っていることに気づいても、みんなが食べ終わるまで口の中に隠しておきます。誰が引き当てたのか?の探り合いも楽しいです。

アーモンドを引き当てた人はプレゼント(mandlegave)をもらえます。子供がいる家庭だとお菓子が多いかな。最近は、すでにパッキングされた100Kr(日本円で約2,000円)程度のものが売られています。福袋のように中身がわからず、買った人もワクワクできるのが良いところ。

 

クリスマスの習慣は国それぞれですが、北欧のクリスマスの過ごし方もまたユニークですね。

スウェーデンでもクリスマス・テーブル(ユールボードJulbord)と呼ばれる習慣があり、黒パン、えび、たまご、パテ、ソーセージやクリスマスハム、ニシンの酢漬け、ポークリブ、アンチョビとジャガイモのグラタン(ヤンソンスフレステルセ)、ジャガイモの蒸留酒アクアビット、ホットワイン(グロッグ)などを楽しみます。

 

 

日本で味わう、北欧の心暖まるクリスマス

リラ・ダーラナでは、12月はランチとディナーにてクリスマスのコースを提供しています。

クリスマスのデコレーションに彩られた店内で、北欧の心暖まるクリスマスを味わってみませんか?

 

 

▼小さなクリスマステーブル(Lilla Julbord)コース
https://select-type.com/rsv/index.php#tm_area

▼スペシャルクリスマス(Lilla Julbord)コース
https://select-type.com/rsv/index.php#tm_area

 

Written by 織田博子
マンガ家。2017年に当時1歳の子どもとスウェーデンを訪問。その時の体験をマンガ「北欧!自由気ままに子連れ旅」(イースト・プレス)として上梓。 旅のコミックエッセイ「女一匹シベリア鉄道の旅」、「女一匹シルクロードの旅」、「女一匹冬のシベリア鉄道の旅」「女一匹冬のシベリア鉄道 特製余録」「北欧!自由気ままに子連れ旅」「世界家庭料理の旅」(イースト・プレス)、電子書籍「世界を旅する母ちゃん 駒込で子育て」